訪問看護はベテランじゃないと務まらない!それはよく聞くところです。20代で訪問看護の世界に飛び込むことになった筆者の経験と実際をシェアしていこうと思います。
「訪問看護に興味はあるけど自分のスキルが足りていないと思う」
「全分野の知識が必要だからまだまだ経験が足りない」
同僚や知り合いの看護職者に訪問看護師の話をすると、決まってこういったイメージがセットになっていました。私もその一人でした。訪問看護には興味があるものの、自分自身が20代でまだまだ知識不足と技術不足を感じながら仕事をしていましたから、こんな私が20代で訪問看護に従事するなんて考えてもいなかったことを覚えています。
なぜこのようなイメージがあるのか?
その特性から、このような勝手なイメージが定着してしまっていることが原因だと思います。
私個人の答えは「NO」です。
なぜなら病気は多岐に渡り、家庭環境、利用者本人の社会的役割も違うからです。さまざまな年代、経験値をもった看護師やセラピストが関わるからこそ、利用者にとっても有益になるのではないかと思います。
私自身、まだまだ経験値は少ないですが利用者から言われた言葉があります。
「ずっと家に居るからおしゃれや流行りについていけない。でもあなたと話すと気が紛れるの」と、療養される前はオシャレが大好きだった女性の利用者からの言葉をいただきました。また、孫のようだといろいろ話してくださった方もいらっしゃいました。
ベテランだからとか経験値がないから訪問看護ができないのではなく、自分にしかできない看護を追求することができる環境なのかなと思います。
前述したとおり、訪問看護にはさまざまなイメージがあると思います。しかしながら、看護に正解はないのだとも思っています。つまりは訪問看護にももちろん正解はない。
もし自分の経験値に不安があっても訪問看護を志したいと思うのであれば、自分にしかできないことを考えてみるのも一つだと思います。
もちろん、訪問する上でスケジュールはありますし、やらなければならないこともあります。その中で例えば清拭した後に保湿剤を塗るとか、整容を手伝うなど、技術的なことよりも些細なことでいいから「自分に何ができるのか」を考えるとよいと思います。自分ができる範囲で自分の看護を提供できるのが訪問看護だと思います。
技術的なことをネックに感じていたとしても、訪問看護に興味がある方は怖がらずに門を叩いてみてください。